小説家になろう
超空陽天楼
混沌戦線
突撃

【どうやって私を落すつもりか知らないけど!】

 《パンケーキ》が雷雲のような機関音を上げ、《ネメシエル》と《ジェフティ》に近づいてきながらレーザーをぶっ放してくる。
蒼は思いっきり《ネメシエル》の船体を傾け、赤く光りながら飛んでくるレーザーを躱す。

「《ネメシエル》!
 機関リミッター解除した状態で、急上昇!
 高度一万五千まで上昇したのち……」

 そこまで言うと蒼は《ジェフティ》の“核”の目を見た。
《ジェフティ》の“核”も蒼の目をまっすぐ見返してくる。
決意をまっすぐ胸に突き立て、拙者の命預けるでござる、といった確かな意志が伝わる。

(一目散に地上へ向かうでござるよ!
《ネメシエル》!
 我が艦の武装用機関は辛うじて生きてるでござる!
 拙者へのエネルギー伝達は不要!
 武装用機関は生きてるでござる!)

 《ネメシエル》の翼の光が強くなり、空へと鋼鉄の塊を持ち上げる。
二千五百万トンにプラスして《ジェフティ》の七百万トンの負荷が機関に大きくのしかかっているのだ。
 キリキリ、と二隻を繋いでいるワイヤーは軋み《ジェフティ》側の“収受版”も金属の軋む音を響かせる。
だがワイヤーは直径八メートル。
この程度では、切れない。

(機関リミッター解除、五分間保障。
 だが、そっから後は……)

《ネメシエル》が心配そうに蒼へとぼやく。
蒼は自分の軍艦ネメシエルのAI に

「大丈夫ですよ、《ネメシエル》。
 大丈夫、だって私が操艦するんですから」

そう告げて、一度深く頷いて見せた。

(そうでござる。
 では、先ほど立てた計画通りにいくでござるよ……!)

「了解。
 《ネメシエル》行きますよ。
 機関リミッター解除、フルバースト!」

(了解!)

 蒼の視界の横に五分間のタイムリミットを刻んだ赤く光るデジタル時計が表示される。
その時計の数字が一つ減った瞬間、《ネメシエル》全体を機関音が包み込み振動が床を伝ってやって来た。
自分の足かせを外した《ネメシエル》。
最高速度であるマッハ二をリミッターを外すことでさらに越え、マッハ三にまで達する。
船体の回りに一瞬雲が壁を作り、生じた衝撃波に巻き込まれ霧散する。

【なに!?
 逃げるの!?
 待ちなさいよ!】

 マッハを超えるスピードで航行する《ネメシエル》の後ろを《パンケーキ》が追う。
その《パンケーキ》のスピードもマッハを超えており旗から見ても《ネメシエル》が《パンケーキ》から逃げているようにしか見えない。
攻撃をかわしつつ逃げているとピピ、という警告音と共に蒼へと《ネメシエル》からの警告が入る。

(蒼副長、目の前に目標の山脈。
 高度を上げるんだ)

 目の前に広がるのは山脈。
降った雪が山頂に白く積る三千メートル級の山が連なるベルカ屈指の山脈地帯だ。

「もう見えてます。

     

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