小説家になろう
盗賊ブレイブ@勇者パーティー御一行様〜出会い〜
第二章 奪取

 俺達三人は喫茶店にある個室に案内された。既に二時を回っていたため、アフィンを含めて、ロフティから事情を説明してもらう事にした。アラーム騎士団長ガリアスの話は後回しとする。
 人気のない裏道で起こった事件については、俺からアフィンに大まかな説明をした。
「それにしても、そのザムという奴は危険だねぇ。一般人を殺したら最重要指名手配として、全国に通知されるのを知らないのかなぁ」
 ロフティもザムを殺し兼ねない勢いだったが、大丈夫なのだろうか。ロフティも熱くなってしまい、冷静さをなくした事は反省しているようだが。
「話してくれるか?」
 俺は言った。アフィンもテーブルの反対側の席に座り、ウンウンと頷いている。
「ザムは、俺の両親を殺したんだ」
「ええぇ?」
 アフィンが気の抜けた声で真っ先に驚いた。
「じゃあ、ザムは最重要指名手配犯なのぉ? すぐに行って捕まえなきゃ駄目じゃぁん!」
 相変わらず、『すぐに』という内容が伝わってこない喋り方だ。
「いや、俺の両親を殺したのは、モンスターという事になっている」
 アフィンが頭を傾げている。
「どういう事なんだ?」
「町に現れたモンスターを退治しに来たのが、ザムだったんだ。ザムはモンスターが手強いと見ると、突然俺が住んでいた家に押し入ってきたんだ。家には俺の両親と俺を含めた六人の子供いた」
「ロフティのご両親、随分頑張ったんだねぇ」
 アフィンがデリカシーのない事を言っている。ロフティは苦笑すると、再び話し始めた。
「ザムを追って家に入ってきたモンスターに俺の両親は殺された。ザムはその真新しい亡骸に魔法をかけたんだ」
「直接手を下したのは、モンスターという訳だな」
「ま、そういう事になるな……」
 ロフティもそこのところは分かっているようだ。苦しい顔をしている。
「ご両親の亡骸に対して魔法を使ったのぉ? ネクロマンサーの術なのかなぁ?」
 ネクロマンサーとは死者を操る魔術を使う職業で、俺はそのドロドロした内容が大嫌いだ。
「分からない。俺の親父とお袋の亡骸から飛び出た骨が見る見るうちに姿を変えていって、最後はザムの身体を守る鎧となったんだ」
「ひ、酷い……」
 俺とアフィンは同時に言った。
「治安維持協会には、報告したのぉ?」
 アフィンが聞いた。魔族討伐組合が魔族やモンスターを対象としているのに対して、治安維持協会は主に人間を対象としている。悪い事をすれば、この治安維持協会のお世話になってしまうことになる。
「ザムという奴は、世間の評判が良いらしいんだ。当時十八歳だった俺の意見なんて、聞いちゃくれなかったよ」
 アフィンが暗い顔を見せた。いつもニコニコしているあいつが……。
 まぁ、確かに酷い話ではあるが世間なんて所詮そんなものだ。
「ま、俺の話はこんなものだ。今まで黙っていて悪かったな。

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