第四章 解放
ジリリリリリリリリッ!
翌日、五時丁度に目覚まし時計の激しい音に起こされた。
暫くは心臓が高鳴っていたので、落ち着くのを待ってベッドの毛布から出た。
部屋を見渡すと、昨日のうちに返って来ていた銀色の装備一式を、ジェットが鏡の前で身につけているところだった。
「ブレイブ殿にカリュー殿、起きましたか。今日も晴れそうですぞ」
死人のジェットに寝起きの悪さなどないようだ。朝からナイスミドルパワー全開だった。
今はジェット一人だけ支度も終わり、お気に入りの口ヒゲを整えている際中だ。
隣のベッドでは、カリューが起きてベッドに腰を掛けている。
カリューも寝起きの良い方ではない。
「久しぶりの高配当な冒険だからな。気合を入れて行こうな」
俺はカリューに言ったが、カリューは朝から不機嫌そうな顔で答えた。
「おい、ブレイブ。今回の冒険の目的は、武亮の足取りを掴む事だぞ? あくまで魔族退治はついでだ。分ってるな?」
「あ、ああ……」
俺はカリューの機嫌をこれ以上悪化させないように答えたが、胸の中では全く同意などしていなかった。
俺の目的はあくまで魔族退治で、二千万カリムは必ず頂く。武亮の行方は二の次だ。
俺はクリーニングから返って来たばかりの綺麗なスーツに袖を通した。
この黒いスーツは特注品で、鋼の糸が編み込まれた布で作られているため、防御力が高くとても軽い。
ベルトには俺の愛銃のネカー&ネマーをホルスターでしっかりと固定し、シーフ専用の足の裏に動物の毛皮を張った黒い靴を履いた。
ベルトの腰の部分には、昨日カリューが買って来た短剣を装備し、最後に色々仕込んでいる黒の手袋をはめて、俺の装備は完了だ。
カリューも光り輝く青い装備に身を包んでいた。身体にはガイア教会で清められたブルーアーマーを装備し、左手には貴重なオリハルコンで作られた盾を装備している。また、背中には世界に一つしかない風のマントを羽織っている。
風のマントはカリューの家に代々伝わるマントで、どこでどのように作られたかは不明だが、高い所から飛んだ時は、暫くの間、空を飛ぶ事が出来るらしい。カリューは怖くて今まで一度もその能力を使ったことがないという事だったが。
俺はいつもカリューの貴重で高価な装備品一式を売りに出したくてウズウズしていた。いったい、総額いくらになるのだろう。
「さて、出発しよう。秋留は起きて準備終わってるのか? 女の準備は遅いからなぁ」
部屋を出て行くカリューの腰には、聖なる羽衣に包まれた魔剣ケルベラーが装備されていた。
今回の冒険で、剣の呪いから解放されるのだろうか。
宿屋の前で六時に待ち合わせをしていたが、十分程過ぎた頃に秋留が眼を擦りながら宿屋から出てきた。
秋留は、黒いチェストアーマーに赤いミニスカート、背中にはブラドーを装備している。
「秋留、おはよう」
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