小説家になろう
“Galactic ILLUSION” (銀河幻想) The ORPAHN Ⅲ
◆Lyric 001◆招待者の名は
009 /もはや、戻らぬ路(みち)
ポツンと、サーブ・ロボット以外に話し相手のいない部屋で、カロルシアは独りの食事を済ませる。
簡単な食事を、と希望したのだが、皇宮ではその「簡単」のレベルが一般庶民と異なるというのか。
まあしかし、サンド・ルーヴェ出立前に
齧
(
かじ
)
った合成食よりは、遥かに旨くて身体が温まる。
一通り、就寝するまでの生活の流れをこなして、これまた一般庶民にはありえない広さのベッドへと身体を横たえた。
腰を痛めそうでベッドの柔らかさを心配したが、それも取り越し苦労だった。
横になったまま窓の外、星々を散りばめた漆黒の空間を見やる。
此処に来てから「気になる」気がしていた。
(誰かが居るわけでもないのに……)
(誰かが見てる? ――でも視線じゃない……)
その気配を感じ取ろうと眼を閉じる。
けして嫌な感じのものではない。
少し、冷たいような温度差。
何より、知っているような感覚。
(グランスでも………レイゼンでもない……懐かしいと云うのとは違うな……)
いつも自分の傍か、何処かに居たのだろうか。
眼を閉じた意識の底に、湧き上がるものがある。
それは像を結んではいるが、何故か記憶にはっきりと残るようなイメージでもない。
(少年――違うか…少女のようでもあるのに……)
(…誰か男の人が……顔が…見えな…)
しかし全てが既知のものなのだ。
様々な人影が入れ替わり立ち代り、カロルシアの前に現れては消える。
―――どうしよう。
自分が現実に戻れないのではないのかと不安にもなる。
しかし、この不安は現実感を失わずにいる証左ではあるが。
目を開きたいが、金縛りのように動けない。
(どうしたものかな………)
彼らは彼女に話しかけて、自分も応えている。だが、話の内容がさっぱり分からない。
いや、話しているのかさえも分からないのだが、彼らと交流をしているようだ。
まるで夢を観ているときのような、此処は確かに宇宙空間だが、自分はその宇宙空間を生身の肌で感じているような感覚がある。
広くて、気の遠くなりそうな広大な時空の中に、孤独を感じない懐かしさと
既視感
(
デジャヴ
)
。
低いが、けして存在感を失わない、ゆらゆらと心地よい音が体内に響き巡る。
―――それにしても、知っていると言うには、あまりにも全てが初めてだというのに。
つと、長い髪の、女性のような影が現れた。
とても重大な会話をしているのか、自分が真剣に聞き入っている。
(――凄く、大事な――)
しかし、相変わらず何も分かり得ない。
やがて彼女が脇へ寄ると、何故か非常にハッキリと見える人物が眼前に出現した。
古風な象牙色の長衣を纏い、背中まで伸びたくすんだ黄色の髪を無造作にまとめ、
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