小説家になろう
魔女伝説 ロザリオカルヴァ
第三十三節 行動

「クダイはどうした?」

ホテルのラウンジでコーヒーを飲むセツハは、戻って来たジャンヌに尋ねた。

「ひとりにしてくれとさ」

「勝手な奴だ」

世界を支配させてやる。そう口説いたのはクダイの方だ。わけもわからぬまま、魔女の能力を刻印カルヴで奪い、真神家に背いたのだ。ケガをしているのはわかるが、これからの行動の指示くらいはもらいたい。

「瀕死だったんだ。半日程度の時間で目覚めたのが奇跡だよ」

当然、ジャンヌはクダイを擁護する。

「生きてるならどっちでもいい。それよりもだ、君らが保護した魔女はどこだ?」

それは自分の獲物だと言わんばかりに言う。
ティーカップとソーサーがカチャリと音を立て、説明責任と言うものをジャンヌに求めた。

「シンデレラとアリスなら、ダンテが連れて逃げたよ」

「ダンテ?」

「ああ。ブレーメンの室長をしてた男さ。ボクが裏切ったと知り、早々とね」

「ブレーメンはクダイが創ったんじゃないのか?」

「そうだった気もするし、違う気もする。いずれにせよ、捜さなきゃならない」

「ふざけたことを。夕べだって、もう少し上手く演技出来なかったのか?………残り五日だぞ。それまで、段取りをキメておかねば、ブランシェットに対抗出来なくなる。わかってるんだろうな?」

「段取り?アハハ。勘違いしないでほしい。君は自分の欲望の為に戦うんだろ?ボクらはアドバイスはするが、君の仲間になるつもりはないよ」

「それはクダイの意思か?」

「クダイ様がどうお考えかは、ボクはわからない。でも、あの人にはあの人の目的がある。ボクが優先するのは、クダイ様の目的だけだ。いちいち指図はしないでくれ」

「………フン。女狐がっ!」

「フフ。褒め言葉と受け取っておくよ」

座らず会話を済ませたジャンヌは、

「そうそう、忘れるところだった。最後の魔女の居所だ」

折りたたまれたメモ用紙をセツハに渡す。
それを受け取り、中を見たセツハは、

「………どういうことだ?」

「そのままさ。そこに魔女がいる。すぐにでも行くといい」

「お前は来ないのか?」

「クダイ様の看護があるからね」

ジャンヌはセツハに判断を任せ、クダイの部屋へと戻った。

「………信用ならない女だ。私を罠にかけたところで、あの二人にメリットはないだろうが………一応、用心はしておくか」

クダイからの情報なら信用は出来る。しかし、ジャンヌのことはよく知らないのだ。そして、知る時間もない。
今セツハが思うのは、来たる金環日食の日にブランシェットに挑む為、魔女の能力を奪うことのみ。

「魔女達が自分達の世界を望まないのなら、私が望む」

例えクダイとジャンヌに利用されていようと、最後に笑えればそれでいい。
信じるのは、己の強固なる意思。











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