小説家になろう
赤狐蒼狼琴奏記
はじめてのタブレット2

「なー」

「ん?」

俺は麓に話しかけた。
というのも用があるからだ。
この前貸してもらったタブレットとかいうやつの新しい使い方を思いついたのだ。

「見てくれよこれ、結構重いだろ?」

「うん」

俺はタブレットを頭に掲げると見てて見てて、と麓を誘導して台所まで引きずっていく。
麓はくだらない、とか思っていそうだがなんだかんだで俺のやることが気になるのだろう。
おとなしく頭の耳をぴこぴこさせてついてくる。

「ほら、ここに野菜あるやん?」

「うん」

俺はタブレットを台所の上に置くとその上に野菜を置いた。
今回の野菜は晩御飯に使う人参だ。

「ほら、まな板」

そういうと俺はとんとんとん、とそのまま切って見せた。
いかがなものかーっ。
美しいだろう。
圧倒的な手さばきだろう。
ふふふのふ。

「……で?」

「……そんだけ、ごめんなさい」

俺は麓を見て肩を落とした。
心底つまらない、といった顔をしてやがる。

「はぁ……。
 まぁ、それも一つの使い方なのかな」

麓はそう言ってタブレットに付着した野菜の汁をふき取る。
人参の赤っぽい汁が雑巾に吸い込まれにじむ。

「そんだけ?」

確認のためだか知らないが麓は俺がそれで終わりといったのにまた聞いてきた。
くだらないのは分かっていたけどここまで馬鹿にされるとは。

「そんだけだよ……」

「ん、そか」

なんか……泣けてきた。
ダメだったかなぁこのアイディア。
個人的にはうまいことやって来たと思ってたんだけど……。




その夜は麓がどうやら料理をするらしい。
こっそりと台所を覗いてみる。

「結構使い心地いいなぁ、これ……」

野菜を切りながらぼやく麓が使ってたのはタブレットだった。
なんだかんだ言って結構使ってくれるのな。
笑える。






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