小説家になろう
魔法少女リリカルなのは StrikerS WitH 2nd
25.涙しない夜


 「成る程、な……」


俺は今部隊長室にいる。
いつもの様にはや姉はデスクに座っていて俺はその前に立っている。

でもそれ以外は全く違う。
はや姉を挟む様になの姉とフェイ姉も立ってるし、空気は比べるまでも無く重い。

はじめはヴィータ姉さんも居たんだけど、シグナム姉さんが引きずっていった。
ヴィータ姉さんには後で何か言われるだろうけど、シグナム姉さんは本当に言うことはないらしい。

アテナ達も今回は流石に怒ってるみたいで一切口を開かない。


 「で、報告はそれで全部か?」
 「……はい」


お互いにいつもの様になぁなぁなんかじゃない、仕事モード。


 「ほな、その件は後で私らが調べとく」
 「はい」

頷く事しかできない。
いや、もう俺から言うことは無いんだから頷く以外ない、が正しいか。


 「もう下がってええで。って言いたいところやけど……私らが個人的に聞き無い事はまだや」


喋り方が普段の感じに戻った。

けど、雰囲気は相変わらず変わらない。
どっちらかというと重くなってるような気もする。


 「ここに居場所が無いって言われて向こうの手を取ろうとしたらしいな?」


何も言わずに、気づいたら顔を横に逸らしていた。
シグナム姉さん、いつから聞いてたんだよ。

俺が何も言わずに居ると、なの姉がよって来た。


 「ウィズ君、何でそんな風になったのかな?ここ、そんなに居づらかった?」
 「違う! そんなこと……ない」


その一言に、俺は直ぐに否定した。

ここは凄く居心地が良い。
毎日が楽しいし、不自由なことなんて何一つない。

それ以上に、はや姉……みんなが居ることが凄く嬉しい。


 「ならなんで……」
 「俺が……はや姉の首を絞めてる」
 「どういうこと?」


俺は全部話した。

俺がはや姉の夢への道を塞いでいること、足を引っ張っていること。
気づかない内に自分の存在がトラウマになってたってこと。

そして……アングに言われた時、何も言い返せないどころか、受け入れたこと。

全部言い終わると、目の前のなの姉が、本当に悲しそうな顔をしていた。


 「そんなことないよ。ウィズ君は……」
 「でも! アイツの言ってることは全部本当の事だ……」
 「本当じゃないよ!」


声を上げたのは、フェイ姉。
怒った顔で俺の方に寄ってきて、俺の視線に合わせる為に身を屈めた。


 「ウィズは殺すために生まれたんでも、迷惑も掛からない。生まれなんて関係ないんだ」
 「違う! 実際俺は皆の負担になってる……。だって……」
 「いい加減にしぃや」


俺の言葉を遮ったのは、はや姉。
座っていた椅子から立ち上がり、俺の方にゆっくり歩いてくる。

怒ってる。確実に。

それははや姉の顔を見ても分かる。


 「私が、いつ、迷惑やって言った?」


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