第二章 改造
「地味だぁ〜」
隣を歩くカリューが呟く。
確かに情報収集は地味だが、冒険を進める上で重要な行為でもある。
冒険に出発する時にもパーティーのメンバーにはそれぞれ役割分担がある。俺は魔族討伐組合でクエストを受けたり、情報収集する事が多い。
一方、頭を使ったりする事が苦手なカリューは、消耗品の買出しや武器、防具の補充など、どちらかと言えばあまり頭を使う必要の無い事を担当している。
「さっきから地味地味五月蝿いな!」
俺はカリューに怒鳴った。
「お前はいつもこんな地味な事してるから、そんな地味な顔して地味な服装になっちまうんだ!」
確かにあまり特徴の無い顔と全身真っ黒のスーツ姿がベースではあるが、何て失礼な奴だ!
「確かに獣人化するような派手さは俺には無いな」
我ながら見事な切り返しにカリューが黙る。
霊獣をゲットする旅から戻ってきた俺達は、各自アームステルで情報収集する事になったのだが、そこでなぜかカリューのお守りまで押し付けられてしまい、むなしく歩き回っている。落ち着きのないこいつのお守りなんてしたくないぞ!
「お、あそこに変わった武器屋があるぞ? 何か特別な情報が得られるかもしれないな!」
そう言ってカリューが勝手に武器屋に向かって歩いていく。
子供じゃないんだから、勝手にチョロチョロするな〜!
「いらっしゃい!」
早歩きで店内に入るカリュー続いて店のドアを開けた。入り口横のカウンターから若い男の店員が声をかけてきた。
店内は薄暗く、カリューの言う通り、変わった武器が並べられている。
「ユスティム研究所って知ってるか?」
カリューは店内で武器を眺めている。あの野郎〜! やる気全く無しだな!
ちなみにあまり会話が上手く運べない俺は、情報収集が苦手だ。
直接金が関連してくる魔族討伐組合でのクエストに関する情報収集などは良いのだが……。
「ゆすり研究? 兄ちゃん、詐欺にでも手を染めるのかい?」
俺はちゃっかり新しい短剣を買っていたカリューを引きずって店を出た。
「またハズレか。情報収集の仕方が悪いんじゃないのか?」
「お前に言われたくないわ!」
俺はカリューの頬をグーで殴った。……頑丈な顔をしていやがる。俺の手が少し痛くなったぞ。
「お! あっちの防具屋は安売りしているみたいだぞ!」
「お! マジか?」
金大事な俺は安売りや限定品などの言葉に弱い。俺はカリューと先を競うように閉店安売り中の防具屋に向かって走り始めた。
「なかなか良い情報は無いもんだなぁ」
「……まぁな」
俺達はアームステルの外れ、城壁近くの喫茶店で休憩していた。
カリューが座っている椅子の両側には武器や防具がギッシリと詰まった買い物袋が置かれている。
この大荷物を秋留やクリアが見たら何ていうだろうか……容易に想像が出来る。
「はぁ……」
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