隠岐山唸は、一ノ谷小学校の中で一番、というか世界一のナルシストである。彼の日常生活を覗いてみよう。
「おはよう。」
母が、言う。しかし、唸は、「ころにゃ〜ん」と猫の真似をして居間に来た。
「なんで猫の真似をやってるの。」
「朝の猫は顔を洗わないからです。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「おはよう。」
友達が、校庭で彼を見て言う。しかし、唸は、持っていた仏像の頬に顔をすりすりする。
「なんで仏像の頬をなすってるの。」
「朝の空は黄色いからです。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「では、これより朝の会を始めます。起立。」
先生が、クラス全員に向かって言う。しかし、唸だけは、立たない。
「なぜ立たない。」
「地球温暖化を防止する椅子の木材に愛の手を。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「では、隠岐山。この質問に答えなさい。3足す5は?」
算数の先生が、唸を当てて言う。しかし、唸は、立たず、何も言わない。
「なぜ答えない。基本的な問題だぞ。」
「私の人生は数字の6に座っているのです。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「では、あいさつをしましょう。手を合わせていたたきます。」
日番が教壇の前で言う。しかし、唸だけは手を合わせようとすらもしない。
「隠岐山君、手を合わせてよ。」
「食べ物にかける物は自分の息であります。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「これで帰りの会を終わります。皆さん、立って、一緒にさよなら。」
先生が、クラス全員に向かって言う。しかし、唸だけは、立とうすらもしない。
「なぜ立たない。」
「はなくそは自分でぼろっと落ちる運命なのです。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
「おやすみ。」
母が、ベットで横になった唸の前で言う。しかし、唸は何も言わない。
「あんたもおやすみって言いなさいよ。」
「寝る前に部屋の4つの壁を見て天井を見れば幽霊が出るからです。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
寝顔だけはさすかにかわいい。
母は、後ろに隠していた包丁を出し、寝ている唸の腹に突き刺す。血が、でてくる。たくさん出てくる。心臓の音が1つになった時、母は言った。
「崇高すぎ。」
ナルシスト。それは、自分を崇高に見られたい存在。
自分を崇高に見られた。
しかし、それは釈迦の話であり、キリストの話であり、マホメットの話でもある。
崇高。
[1]後書き
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